禁煙治療について


禁煙外来でお医者さんと禁煙

「禁煙しよう」と決めたら、禁煙指導を受けられる病院(禁煙外来)を受診することをお勧めします。禁煙外来では、医師・看護師による身体・精神的にサポートとともに、ニコチン切れのつらい症状を和らげるための禁煙補助薬を処方することができます。まずは禁煙開始日を決めて、準備することが大切です。

禁煙開始日が決まったら、禁煙の意思表示をして受診してください。

禁煙外来での治療の流れ


<初回>

初診時の問診では、治療法の説明の他、ニコチン依存症、喫煙の状況、禁煙の関心度などがチェックされます。また、呼気中(吐き出す息)の一酸化炭素濃度の測定、禁煙開始日の決定と「禁煙誓約書」へのサイン、次回診察日の決定を行い、治療のための禁煙補助薬の処方を受けます。

まず、禁煙の意思の再確認、これまでの喫煙状況、現在治療を受けている疾患、既往歴などの問診を行います。 続いて簡単なアンケート(ニコチン依存度テスト)に答えていただきます。

続いて簡単なアンケート(ニコチン依存度テスト)に答えていただきます。

設問内容 はい
1点
いいえ
0点
問1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
問2 禁煙や本数を減らそうとしたときに、できなかったことがありましたか。
問3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてたまらなくなることがありましたか。
問4 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。
(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
問5 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
問6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
問7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
問8 タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありました
問9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
問10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

ニコチン依存度テストが5点以上の方で、ブリングマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方はニコチン依存症と診断され、病院で禁煙のサポートを受ける対象となります。

次に喫煙状況の把握のために、吐く息の中の一酸化炭素濃度測定を行います。

最後に禁煙誓約書に署名をしたら、いよいよ禁煙のスタートです!

まず禁煙補助薬を選択をします。 あなたの希望やライフスタイルを考慮し、ニコチンパッチ(貼り薬)もしくはバレニクリン(飲み薬)の選択をすることができます。基礎疾患や既往歴などによっては使用できない薬剤もあるため、医師と相談の上、治療法を決定してください。

いずれもイライラなどのニコチン切れ症状を軽くする他、タバコをおいしいと感じにくくする作用があります。 まず、補助薬が選択します。

あなたの希望やライフスタイルを考慮し、ニコチンパッチ(貼り薬)もしくはバレニクリン(飲み薬)の選択をすることができます。基礎疾患や既往歴などによっては使用できない薬剤もあるため、医師との相談の上、治療法を決定してください。

いずれもイライラなどのニコチン切れ症状を軽くする他、タバコをおいしいと感じにくくする作用があります。

ニコチンパッチ

ニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。 初は大きいサイズのパッチから始め、禁煙状況に応じて医師と相談しながら減量していきます。皮膚のかぶれることがあるため、毎日貼る場所を変えるとよいでしょう。

ニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。最初は大きいサイズのパッチから始め、禁煙状況に応じて医師と相談しながら減少していきます。

皮膚のかぶれることがあるため、毎日貼る場所を変えるとよいでしょう。

長所
  • 人に気づかれない
  • 接客などの職種や歯やアゴの問題などでガムをかめない人でも使用できる

バレニクリン

ニコチンを含まない飲み薬の禁煙補助薬です。

禁煙開始予定日の1週間前からチャンビックスを服用し始めます。1日1回から開始し、飲み始めの1週間で徐々に服用量を増やします。自然にタバコを吸わなくなった場合は、8日目を待たず早めに禁煙に入ってもかまいません。内服している間はニコチンを含んだ禁煙補助薬(ニコチンパッチ、ニコチンガム)との併用はしないでください。

本剤服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作は避けてください。

長所
  • 肌の弱い人でも使用できる
  • 飲むだけなので簡便
  • 接客などの職種や歯やアゴの問題などでガムをかめない人でも使用できる
  • ニコチンを含まない

<2回目>

初回から2週目に再診し、喫煙状況の問診を受けます。呼気中の一酸化炭素の測定を行い、禁煙補助薬の追加処方を受けます。

<3回目、4回目>

4週目、8週目の再診でも、呼気中の一酸化炭素の測定とともに、出現した離脱症状の確認や対処法などのカウンセリングや治療を受けます。

<5回目>

12週目の再診が最終回、治療終了です。禁煙に成功していれば、そのまま禁煙を継続するためのコツを理解します。
*保険で認められている通院回数は、初診を含めて計5回、期間は約3ヶ月です。

費用について

費用についての目安です。医療機関によって違いがあります。

ニコチンパッチの場合 バレニクリンの場合
費用 自己負担額
(3割負担として)
費用 自己負担額
(3割自己負担として)
初診料+再診料 7,880円 2,364円 7,880円 2,364円
ニコチン依存症医管理料 9,620円 2,886円 9,620円 2,886円
院外処方せん料 3,400円 1,020円 3,400円 1,020円
禁煙補助薬 13,323円 3,997円 39,717円 11,915円
34,223円 10,267円 60,617円 18,185円

※上記費用は2022年12月24日の時点において